文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

次世代型環境防災都市の構築に向けた基盤研究

~神奈川県厚木市をモデルケースとして~ 

研究目的・意義

 本研究プロジェクトの目的は神奈川県厚木市をモデルケースとして,次世代型環境防災都市の構築に向けた基盤形成を行うことである。厚木市は人口約22万人の神奈川県央地域の中核都市であり,居住,産業,文化,観光の各方面において今後も発展が見込まれるような首都圏でも重要度の高い都市である。それゆえ,現在の日本で主要課題の一つとなっている都市防災のモデルを示す上での格好のポテンシャルを備えた都市と言える。事実,同市は内閣府より東海地震に関わる地震防災対策強化地域に指定されており,行政が「安心・安全なまちづくり」をめざして防災力の向上に力を注いでいる。このような厚木市と同規模で同様の課題を抱えた都市は日本全国に数多く点在しており,日本全体としての自然災害に対してレジリアントな国家を形成するうえでも,次世代型環境防災都市を厚木市をモデルケースとして構築することは大変意義がある。本研究プロジェクト名にもある「次世代型環境防災都市」が通常考えられる防災都市と異なる点は,防災ネットワーク構築,都市データ収集などの活動を通して,地域のコミュニティを活性化させていく点にある。災害時および災害復旧時において重要となるのは,建築・都市のハード面での備えに加えて,人と人との日頃からの結びつきである。現在希薄になりつつある都市の中での人々のつながりを,防災を意識することで平時から活性化させ,新たなコミュニティ活動を生みだすことで結果的に都市としての防災力をソフト,ハードの両面で高めることで次世代型環境防災都市が構築されることが本研究の最終目的である。本研究プロジェクトは2つの研究テーマから成り立っており,それぞれの研究テーマに学術的な特色がある。研究テーマ1「自然災害リスクの極小化に向けた地域密着型防災ネットワークの構築」では,厚木市内全域を対象とする自然災害観測ネットワークを開発・運用し,別途確立される被害予測システムの要素技術と融合させることで、被害予測システムを開発する。また厚木市には数多くの大規模企業の生産・研究拠点が置かれており,大気汚染などの環境面での災害の可能性も抱えている。民間企業を観測システムの設置場所に組み込むことで,環境被害の予防効果を高めることを意図している。研究研究テーマ2「環境防災都市モデルの提案に向けた神奈川県厚木市の建築的・都市的データの収集」では、厚木市の過去から現在までの建築的・都市的データを収集したデータベースを構築する。得られたデータベースに防災面からの分析を加えて,研究集会等で市民に公表することで,厚木市の建築や都市空間的特性に関する市民の意識向上に貢献する。また,得られたデータをもとに災害に強いまちづくりへの助言を行うことで,ソフト・ハード両面から地域の活性化に寄与していく。

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