座間アーティストファイル作品展示会(清水先生)

 仏教に「輪廻転生(りんねてんしょう)」という考えがあります。人は死ぬとまた生まれ変わりますが、生前の業によって生まれ変わる世界が異なります。地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上で、これを「六道(ろくどう)」と呼びます。いずれも「苦」のともなう世界ですが、「六地蔵」は六道に落ちた衆生を救い出してくれる、と信じられ、平安時代頃から盛んに信仰されるようになりました。昨年の福島原発の爆発事故は、地球というかけがえのない環境を蹂躙し続け、自然界を意のままに操れると考えた人間の傲慢さが招いた、ひとつの結果であったように思います。輪廻転生の考えに基づけば、生きとし生けるものに対する思いやりを失った人間の多くが、厳しい「苦」のともなう地獄あるいは餓鬼・畜生道に落ちるのは必然のように思います。自分自身を含めた人間の救済を祈って、「六地蔵」を制作してみました。

 六地蔵の姿形に定説はないようですので、無垢な子供の姿に託し、親地蔵から生まれたばかりの、そしてこれから生まれようとする形に表現してみました(白いシェルターのようなものは卵をイメージしたものです)。画像では大きさがわかりにくいと思いますが、親地蔵は高さが13センチほど、子地蔵は6~7センチほどの小さな物です。(解説:清水擴)

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